国泰寺派末寺
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 坐禅を学ぶ

 まず、禅とは何か?というところからですが、もとはインドの「ジャーナ」という古い言葉から来ています。「ジャーナ」の意味は、心を静かに保つということです。ジャーナという言葉が、仏教が中国にわたった時、「禅那(ぜんな)」となり、さらに意訳され「禅定(ぜんじょう)」あるいは「禅」となりました。言葉は大幅に変わりましたが、言葉の意味は変わっておらず、禅とは、心を静かに保つということです。
 なぜ心を静かに保つ必要があるのかというと、例えばコップの中に泥水が入っています。泥水はかき混ぜると泥が舞い上がって濁ってなにも見えません。しかししばらく静かに置いておくとだんだん泥が沈殿して透き通ってきます。透き通った水はコップの向こう側までよく見えます。
 私たちの心も同じことが言えます。忙しさに心はかき乱され、濁った泥水のようになっていないでしょうか?なっているなあと感じたら、心の中の舞い上がった泥を沈めてみませんか。
 どうやって沈めたらいいのか?ということで、禅では坐禅をするのです。
 ここで大事なのは、坐禅は瞑想とは違うということです。
瞑想は、目を閉じ外界を遮断して、心を内側に集中させ、心身統一を図りますが、坐禅はあくまでも眼を開けたままで、つまり目覚めた状態で心を調えることに留意します。外界を遮断せず、眼に見えるものも、耳に聞こえるものも、匂いも、五感で感じるものはすべて感じ取って受け入れていくのが、坐禅です。
坐禅の「坐」の字も、「座」ではなく「坐」で、これは屋根のない場所(自然と隔てるものを設けず、天地一体となる)で坐ることを意味します。
また、坐禅をすると健康に良いという話もあるようですが、結果的にそうなっただけの話で、坐禅とは健康法ではありません。ただ自分の心を静めるというだけのことです。
では、実際に坐ってみましょう。

坐禅をするには、まず足を組みますが、足を反対の太ももに両方上げる結跏趺坐(けっかふざ)と片方だけ上げる半跏趺坐(はんかふざ)があります。結跏趺坐のほうが坐りは安定しますが、足の関節の硬い人は組むことが難しいです。対して半跏趺坐のほうは、坐りは少し不安定ですが、片方だけ上げるので比較的簡単です。まず初めての人には半跏趺坐を推奨します。
それから背筋を伸ばしますが、これも頭のてっぺんに糸を付けて、それを上から引っぱられているような感じで伸ばせ、とよく言われます。あごは少し引き気味、目線は自分の1,5メートル先あたりに落とします。
手の組み方も色々ありますが、まず最も知られているのが法界定印という、右手を下、左手を上にして重ね、親指の腹を合わせる組み方です。手を組んだら下腹部の辺りに置きます。これで姿勢は調いました。
次は呼吸を調えます。坐禅時の呼吸は数息観といって、息の数を数えることをします。息を吐くときにできるだけゆっくり吐くのですが、そのときに心の中で「ひとーつ」、二回目吐くとき「ふたーつ」と数えます。「三つ、四つ」と数え「十」までいったら、「一つ」に戻ります。途中で数が分からなくなっても「一つ」に帰ってまたやり直せば大丈夫です。
さあ坐ってみましょう。合図の鳴らしものが鳴ったらいよいよ始まりです。
坐禅は調身・調息・調心といいます。身を調え、息を調えることで、心が調う、静まるということです。

坐禅してみてどうだったでしょうか?足が痛かった、息がうまく数えることができなかった、呼吸がゆっくりとできなかった、などいろいろ感想が聞こえてきそうですが、最初からうまく坐れたなどという人はまずいないのですから、気にすることはありません。
むしろ自分の体なのに、なぜこんなに思い通りにならないのだろうと感じることが大事です。じっとしてることぐらい簡単だと思っても、これがなかなかふらふらとして定まらない、そんなことは普段生活していれば全く感じないことでしょう。日常気がつかないことを気づく、坐禅を通して心が透き通る・静まれば、だんだんそうなっていきます。
ただいきなりなんでもかんでも気づくというわけではなく、やはり坐禅も訓練が大事である程度時間的にも坐れるようにならないと難しいでしょう。毎日少しずつ坐る時間を長くしたり、半跏趺坐に慣れてきたら結跏趺坐に挑戦してみたりして、坐りがこなれるまでは、ねばり強く坐り続けることが大事です。
一日の中に少しでもいいので、坐禅の時間を取り入れてみたらいかがでしょうか?心が調えば、身体も調う。自分が調えば周りも調います。

臨済宗連合各派布教師

本派吉祥寺副住職 山田真隆 師

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